「五月雨の 降りのこしてや 光堂」 松尾芭蕉
訳)全てを洗い流してしまう五月雨も、光堂(金色堂)だけはその気高さに遠慮して濡らさず残しているようだ
アリティーヴィー高野真一郎です。
この句は松尾芭蕉が46歳の時に岩手県平泉町の
「中尊寺金色堂」を訪れた際に詠んだ句です。
その中尊寺は、昨年6月ユネスコの「世界文化遺産」に東北で初めて登録されました。
正確には
「中尊寺」(ちゅうそんじ)
「毛越寺」(もうつうじ)
「観自在王院跡」(かんじざいおういんあと)
「無量光院跡」(むりょうこういんあと)
「金鶏山」(きんけいざん)
5点が登録され、まさに世界遺産の町となりました。
撮影禁止なのでここでお見せすることはできませんが、実際に観てみると、
今までなぜ世界遺産に選ばれなかったのだろうと疑問に思うほどの歴史的遺産が数多く残されており、
平安時代にタイムスリップしたかのような感覚になります。
中でも金色堂はやはり一際目を引きます。
覆堂に守られ極楽浄土を表現したとされる金色堂は、本当に神々しく、建立から888年という歳月を微塵も感じさせないほどの美しさです。
漆塗りの上から金箔が貼られた壁や柱、装飾は夜光貝や象牙などが繊細かつ緻密に施されており圧倒されます。
金色堂の外側は昭和30年代に金箔が張り替えられましたが、内側は当時(1124年)のまま。
先の震災での影響を館の方に伺ったところ、
「金色堂の11体の仏像は少しずれた程度で一つも倒れることもなく、
ただ、屋根のホコリが落ちてきた程度だった。もちろん仏像を固定していたわけでもないのに不思議ですね」
との事。
我々には見えない力が働いていたのでしょうか?
観光面の復興も目指している東北地方。
この世界遺産が観光の復興に重要な意味を成しているような気がします。
皆さん、是非東北初の世界遺産をご自分の目で確かめてみてください。
そこにはきっと、言葉では伝えきれない「何か」がありますよ。
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Mon
February,2012