三陸を旅して復興支援!~三陸たびガイド~
気軽に旅をすることで復興支援になる。
そこで人と人が出会うことで新たな何かが生まれる。
『三陸たびガイド』
この本がそのきっかけとなるヒントを教えてくれます。
著者の遠藤さんが実際に三陸を旅し、地元の人との触れあいを通し人から人へ紹介を受け取材を続けてできた本です。
遠藤さんは元々地図を作る仕事をしていたため、震災以降、仕事で何度か被災地を訪れていました。
しかし当時は被災地の現状を知ってはいても何もできずにいたといいます。
地震から一年ほどたったころ、プライベートで被災地を訪れる機会に恵まれました。
仕事の傍らシンガーソングライターとしても活動している遠藤さんは、大船渡を中心に開催された音楽イベント「The North Journey」に参加しました。
始めは、プライベートで行っていいのだろうか?
有名なミュージシャンでもないのに歌なんて歌ってもいいのだろうか?迷惑では?
という葛藤があったそうです。
しかし、実際に訪れてみると、仕事の時とは違って今まで見えていなかったものが見えてきたそうです。
地元の人と屋台村で朝方まで飲みながら、色々な話をしました。
かけがえのない思い出がたくさんできたのです。
また、イベント2日間で宿泊費や食事代、飲み代やお土産代などにお金を使いましたが、一人1万円使ったと仮定して、100人いたので一晩で100万円現地に落ちたことになります。
それは寄付でも慈悲でもなく「かけがえのない思い出」の対価なのです。
多くの人この体験を伝えたい―
それが『三陸たびガイド』を企画するきっかけになりました。
企画のきっかけとなった大船渡屋台村の様子
取材は岩手県大船渡から始まりました。
大船渡で出会った人たちに、「どこを見て欲しいか」「何を食べて欲しいか」などを尋ね、教えられた場所に取材に行きました。
そして行った先で出会った人に、今度は気仙沼に行くんだけどどこがいいかな?と尋ね、どんどん取材先が広がっていきました。
本書では〇〇さんのおすすめ、という地元の人がおすすめする場所が掲載されています。
例えば、「FMねまらいん」のパーソナリティ・山崎素子さんのおすすめの場所として、大船渡湾口を見おろすログハウス「寿限無亭」(じゅげむ)という場所があります。
ここは、宿泊施設でもなくレストランでもカフェでもない。
いわばサロンのような場所だそうです。
大船渡中学校の卒業生有志が、還暦の記念に手作りした遊び心満載のログハウスです。
お店ではないので入るのに少し勇気がいりそうですが、訪れるとメンバーの一人の佐藤勝哉さんが誰でも気さくに迎えてくれるそう。
暖炉のある室内でくつろぐもよし、テラスでのんびりするもよし、パチンコや流しそうめんに興じるもよしで様々な遊びが楽しめる。
このような場所に出会うことができたのも、人から人に紹介を受けて取材した結果だそう。
他のガイドブックではなかなかお目にかかれない場所です。
もちろん観光スポットや、グルメについてもしっかり情報を得ることができます。
遠藤さんは、
「一般の人と変わらない自分にもこのような旅ができたのだから、一般の読者の方にもできるはず。実際に行って思い出ができれば、リピーターになってもらえると思う。いずれ三陸が被災地でなくなる時がくる。そうなっても人との繋がりは残る。震災があったことをプラスに変えるには、人と人が出会い、震災がなかったら俺たち出会ってなかったよねと言えること。この本を読んでたくさんの人達が三陸に行ってくれることが、三陸で出会った人達への恩返しになると思う。」
そう語ってくれました。
あなたも、この「三陸たびガイド」を持って旅をしてみてはいかがですか?
きっと、今までの旅行とは一味違う体験ができることでしょう。
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Mon
September,2014