「ここしかないから」地元への愛。お食事処たこ八の復興チャレンジ丼
ヒザシでございます。
相馬市松川浦。震災前は海水浴・潮干狩り・相馬の新鮮な魚介類を買い求める観光客のお客さんで賑わっていました。
震災後は津波被害、原発の影響や風評被害で観光客は減少しました。
それでも「今のままじゃダメだ、なんとかしなければ」と思い、登場したのが復興チャレンジ丼でした。
松川浦の飲食店・旅館などがグループになって街をあげてメニューを作ろうと登場したものです。
今回は相馬市松川浦の美しい海の景観を目の前にお店を構え、相馬の海の幸が一番ウマい!と胸を張るお食事処「たこ八」の小野芳征(おのよしゆき)さんにお話を伺いました。
震災時は津波が来るという声が上がったものの最初は信じられなかったが、いざ避難しようと表にでたら車がものすごい渋滞をしていてどうにもならなかったので裏から高台にある旅館に避難し津波をその目で見ていたそうです。
建物は残ったが、1階部分は波に飲まれ飲食店として営業できない状況でした。
波の引いた後に戻ってきた小野さんは「もう商売は無理だ」と感じ、4ヶ月近く放心状態だったそうです。
そんな時に東京からボランティアでやってきた若者との出会いが、小野さんの心を動かしました。
この若者が本気で商売をもう一度しようと、相馬をどうにかしようと取り組む姿勢に触れて高橋さんは「よし、もう一度やろう」と決意しました。
お店を仮店舗の場所に移して再開したのは2011年10月。そして元々あった現在の場所に建て直して営業を再開したのは2013年4月。
どうしてまた同じ場所でお店をやるの?という問いには「ここしかないと思ったから。」と松川浦への深い愛を滲ませた答えが帰ってきました。
創業は20数年前、先代から引き継いだこの商売を続け、地元の人にも愛されて来ました。
お店を再開したときは「また商売が出来ると思わなかったから。本当に嬉しかったし安心した。」と目を細めます。
「4月のオープン時はお客さんが来てくれて嬉しかった。現在は震災前と変わらぬくらいのお客さんが訪れてくれて嬉しい。これからは地元の魚を使ったメニューを提供したい。」と明るくお話をして下さいました。
美味しさ抜群のこの海鮮丼、メニューの食材すべてが松川浦産になったらどんな美味しさになるのか、その日が来ることを信じて訪れたお客さんに美味しさと笑顔を提供します。
22
Sun
December,2013