-歩いて、出会って- 東北の被災地を渡り歩いたオーストラリア人
こんにちは、アリティーヴィー在住アメリカ人のアンディーです。
先日、アリティーヴィー事務所にある旅人がやってきました。
アーロン・モレリーニさん、22歳のオーストラリア人大学生です。
これまで2ヶ月間かけて日本を渡り歩いてきました。
彼が初めて日本を訪れたのは外務省が主導するJENESYSプロジェクトに参加したとき、そしてある姉妹都市にホームステイにやってきたときのことでした。
その後2011年の2月にも日本を訪れ、
それからオーストラリアに帰国してまもなく東日本大震災が発生しました。
「ほんの少し前までいたところがあんな惨劇に遭うなんて、大きなショックだった。」
「大好きな街や人々のことを想い、胸が痛んだよ。」
メディアの扇情的な報道に不満を抱いたアーロンさんは、しばらくニュースに耳を傾けるのをやめました。その間も、日本についての勉強をしながら日本の友人と連絡を取り続けていたとのことです。
それからしばらくして、アーロンさんは宮城県の被災地からやってきた学生達に出会い、彼らの話を聞く機会に恵まれました。 ちょうど同じ時期に南オーストラリア州で太陽光発電を支持する300キロのウォーキングイベントに参加していたアーロンさんは、その体験から今度は東京から宮城まで歩いてみようと考えたのです。
沿岸部をひたすら北へ向かって歩いていきました-
道中では地元の人々と触れ合い、ボランティア活動に参加しました。
女川では、津波で一瞬にして20mの高さまで海水に飲まれた町を目の当たりにしました。
そこで出会った男性が英語で発した言葉が忘れられないそうです。
“I lost five friends, this tsunami (この津波で5人の友人を失った).”
彼が発したのはその一言のみでした。
その後宮城県を北に抜け、岩手県の陸前高田にたどり着いたアーロンさんは、東京から600kmの地点で徒歩の旅に終止符を打ちました。
旅の途中で数え切れない人々から優しさを貰いました。
「地元の人と接するたびに感動を覚えたね」
「震災に遭いながらも、前向きに生き、人生を楽しむ人々の姿に心動かされたよ」
東京-宮城間・縦断の旅を終えたアーロンさんは、体力面ではなく精神面で消耗を感じたそうです。震災の規模の大きさに圧倒されたとのことです。
「旅が終わってホッとしているよ。家に帰ることのできる僕は恵まれていると思う。被災地の人々はまだまだ落ち着けない…」
オーストラリアに帰国した後は、東北の現状を伝え広めるよう励むとのことで、
今後日本に戻る計画もすでに立てているそうです。
東北に戻って地域の活動に参加し、
「地元の人々が笑顔になれるよう、手助けをしたい」とのことです。
アリティーヴィーを訪れた際にギターの弾き語りを披露してくれたアーロンさん。
これから歩んでいく道先で、たくさんの人々を笑顔にしてくれることでしょう。
■Tokyo to Sendai Walk – Aaron Morellini (アーロンさんの旅ブログ)
18
Wed
September,2013